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「ひつまぶし」の美味しい食べ方とは?名古屋で人気のお店も紹介
愛知県名古屋市の名物「ひつまぶし」。鰻丼によく似たメニューですが、実は食べ方も魅力も大きく違う料理です。日本人でもよく知らない、ひつまぶしの食べ方と魅力を中心に、由来、そしてその名店なども紹介します。
ひつまぶしとは?
寿司、天ぷら、ラーメンに並ぶ日本の郷土料理「鰻丼(うなどん)」。とても有名な料理なので、日本人ではなくとも日本料理が好きな方ならば、一度は口にしたことがあるかもしれません。
愛知県の郷土料理に、そんな鰻丼によく似た「ひつまぶし」という料理があります。
ひつまぶしとは、鰻のかば焼きを細かく刻み、ご飯に混ぜたもの。「おひつに入れたご飯と鰻をまぶす(混ぜる)」というところから、「ひつまぶし」と呼ばれるようになったと言われています。
ひつまぶしは、一見すると鰻丼ととても似てますが、実はまったく違う方法で楽しめます。タイトルにもあるとおり、ポイントは「一度で3つの味を楽しめる」ということ。
これだけ聞いてもどういうことかよく分からない? では、続けてひつまぶしとは、一体どんな料理で、どのように食べるのかを見ていきましょう!
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ひつまぶしを食べる5つのステップ
Photo by Pixta
ひつまぶしを注文すると多くの場合、4つの器が提供されます。メインの器には、ご飯の上に鰻や海苔が盛られています。鰻丼との違いは、鰻の身が細かく刻まれている点、海苔など鰻以外の具材が盛られている点です。
それではここから、鰻丼とは違うひつまぶしの食べ方を5段階に分けて解説します。
STEP1.丼の中身を4分割する
まずはメインの器に盛られたご飯や鰻、そのほかの具材を、スプーンまたはしゃもじで4分割しましょう。
STEP2.鰻とご飯を小皿に盛る
続いて、4分割した内のひとつのブロックを、取り皿となる器に移しましょう。
取り皿に移したら、あとは食べるだけ。普通の鰻丼と同じような甘くてコクのある味わいを楽しむことができます。
STEP3.薬味と鰻、ご飯を混ぜて食べる
Photo by Pixta
移した分を食べ終わったら、さらにもうひとブロックを取り皿に移します。先ほどとは違い、今度は別の器に盛られている薬味(ワサビやネギなどの香辛料)も一緒に取り皿に移します。
薬味の種類はお店によって、ワサビや漬物などの違いがあります。今回取材させてもらった「名代 宇奈とと 浅草」さんの場合、ワサビです。薬味が全体に広がるよう、しっかりと混ぜ込んでください。薬味の辛みや風味が行き渡り、1回目にはない爽やかさが味わいに加わります。
STEP4.お茶、またはダシと一緒に食べる
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さて、半分ほど食べ終えたところで少しお腹が膨れてきました。次の3ブロック目はどのように食べるのでしょう。
ご飯と鰻を盛ったあと、黒い容器に入ったスープを注ぎ入れます。スープの正体はあっさりとした出汁。お店によってはダシ汁の代わりにお茶を使い、お茶漬けにすることもあります。
Photo by Pixta
出汁のおかげで濃厚な鰻の味が、より上品に感じられます。また、お腹がいっぱいでも無理することなく、さらさらと流しこむように食べることができます。
STEP5.最後はお好みの食べ方で
ここまでで鰻とご飯を3つの食べ方で味わうことができました。あなたのお気に入りはどの食べ方でしたか? 最後に残ったひとブロックは、その一番好きな食べ方で食べてみましょう。
ひつまぶしの由来
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
ひつまぶしは、名古屋市の熱田神宮前にある「あつた蓬莱軒」が発祥だと言われています。
「あつた蓬莱軒」は、1873年に創業した料亭。もともとは、鰻のかば焼きとかしわ(鶏)が名物でした。また、当時は出前にもよく行っていたということです。
もっとも、出前に陶器の丼を持っていくと、帰りに割れてしまうことが多くあります。それに困った店主が、割れない器として大きな木のおひつを考案。それに数人分の鰻丼を入れるようにしました。
しかし、そうして出前をすると、鰻ばかりが先に食べられ、ご飯が残ってしまうことが多くありました。そこで、鰻を細かく刻んでご飯に混ぜて出したところ、とても好評となりました。
大きなおひつで、ご飯と鰻をまぶす(混ぜる)。これが「ひつまぶし」という名前の由来となっています。その後、お茶漬けを試してみたら大変好評で、この食べ方が定着したほか、おひつも1人前のものが一般的になるなどの変化をしてきました。
名古屋市内にある、ひつまぶしの名店
名古屋市内や愛知県内には、ひつまぶしの名店が複数あります。そのうち、代表的なスポットを紹介します。
あつた蓬莱軒
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
ひつまぶしの発祥となった名店。創業以来、継ぎ足しがされ、140年分のうまみが溶け込んだタレを鰻に付け、最高級の備長炭を使って焼き上げています。
現在、名古屋市内に4つの店舗を展開しています。
【あつた蓬莱軒 本店】
住所:愛知県名古屋市熱田区神戸町503
営業時間:11:30~14:00(L.O.)、16:30~20:30(L.O.)。定休日は毎週水曜・第2、第4木曜(祝日は営業。振替休みあり)
公式HP:https://www.houraiken.com/
ひつまぶし 備長
Picture courtesy of ホットペッパーグルメ
愛知県内や名古屋市内はもちろんのこと、東京、大阪にも店舗を展開する「ひつまぶし 備長」。その特徴は、鰻を蒸さずに強火の遠火で焼き上げる「地焼き」という調理法を使っていること。さらに、愛知産のたまり醤油とみりんを使うことで、皮はパリッとしながら身のやわらかいうまさを実現しています。
【ひつまぶし 備長本店】
住所:愛知県丹羽郡大口町下小口5-176-1
営業時間:平日11:30~14:30(LO14:00)、17:00~20:30(LO20:00)。土日祝日11:30~15:00(LO14:30)、17:00~21:00(LO20:30)。定休日は月曜(月曜祝日の場合は火曜)
公式HP:https://www.hitsumabushi.co.jp/
ホットペッパーグルメから予約する(ひつまぶし名古屋備長 ラシック店)
ひつまぶし 花岡
名古屋市最大の繁華街・栄に店舗を置く「ひつまぶし 花岡」。そのユニークな特徴は、最後のお茶漬けに梅を使っていること。梅はうなぎの油分の消化を助け胃を整える作用があると言われています。
また、ご飯には地元産の米を使うなど、食材にこだわった人気店です。
【ひつまぶし 花岡】
住所:愛知県名古屋市中区栄3-8-115
営業時間:11:00~16:00(LO15:00)、18:00~22:00(LO21:00)。定休なし。
公式HP:https://hitsuabushi-hanaoka.shopinfo.jp/
名古屋に行かなくても、ひつまぶしは食べられます!
ひつまぶしは、名古屋の名物料理ではありますが、最近では東京や大阪などそのほかの地域でも食べることができます。例えば「名代 宇奈とと 浅草」も、そんなお店のひとつです。
「名代 宇奈とと」は、リーズナブルな値段でひつまぶしや鰻丼などの鰻料理を食べられるチェーン店。浅草のほか、新宿や大阪梅田などの観光地にも店舗を持っています。
Photo by Pixta
その他にもひつまぶしを食べられるお店は、名古屋以外の都市に増えつつあります。ひつまぶしの美味しさを体験したあとは、ぜひ本場名古屋にも足を運んでみてください!
【名代 宇奈とと 浅草店】
住所: 東京都台東区花川戸1-5-2
営業時間:全日11:00~22:00
公式HP:https://www.unatoto.com/shop/asakusa/
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本記事は2015年10月15日に公開した記事を2023年にリライトし再公開しました。
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